この記事の要点
- 対象範囲は、2019年から続く軽減税率制度の枠組みを引き継ぐ見込み
- 酒類の線引きはアルコール分1度以上かどうか
- 持ち帰りと宅配は対象、店内飲食は対象外
- おまけ付き商品は「一体資産」として別の基準で判定
- 判定は購入した時点で決まる
判断の枠組みは既にある
2027年4月から食料品の消費税率を1%とする方針が示されていますが、対象範囲の考え方そのものは新しいものではありません。2019年10月に始まった軽減税率制度で、すでに8%と10%の線引きが運用されています。
報じられている案は、8%の対象となっている範囲をそのまま1%に置き換える形です。つまり、いま8%の値札が付いている商品を確認すれば、対象になるかどうかは今日でも判別できます。
軽減税率の対象は「飲食料品(酒類・外食を除く)」と定められており、飲食料品の範囲は食品表示法上の食品にもとづきます。人が食べたり飲んだりするために売られているかどうかが基準です。
酒類の線引きはアルコール分で決まる
台所に並ぶ調味料のうち、税率が分かれるものがあります。分岐点はアルコール分1度です。飲用か料理用かという用途では判断されません。
| 品目 | 現行 | 理由 |
|---|---|---|
| 本みりん | 10% | アルコール分1度以上のため酒類 |
| みりん風調味料 | 8% | アルコール分1度未満 |
| 料理酒(食塩添加) | 8% | 飲用に適さない加工により 酒類に該当しない |
| ノンアルコールビール | 8% | アルコール分1度未満 |
| 甘酒(アルコール分1度未満) | 8% | 同上 |
| 日本酒・ワイン・ビール | 10% | 酒類 |
口に入るものでも対象外になる場合
食品売り場に並んでいても、人が食べるために売られていない品や、医薬品に区分される品は対象から外れます。
| 対象(8%) | 対象外(10%) |
|---|---|
| ミネラルウォーター | 水道水 |
| 食用の氷 | 保冷用の氷・ドライアイス |
| 栄養ドリンク(清涼飲料水) | 栄養ドリンク(医薬品・医薬部外品) |
| 特定保健用食品・栄養機能食品 | 医薬品に区分されるサプリメント |
| 食用の種子・食肉 | 果物の苗木・生きた家畜 |
| 食品添加物として売られる重曹 | ペットフード・家畜の飼料 |
★注目したい一組★ 栄養ドリンクは、同じ棚に並んでいても税率が分かれます。パッケージの「医薬部外品」の表示が判断の手がかりとなります。
店内で食べるか、持ち帰るか
対象外となる「外食」は、テーブルや椅子などの飲食設備がある場所で、飲食のサービスとして提供されるものを指します。同じ弁当でも、購入の仕方によって税率が変わります。
| 場面 | 現行 |
|---|---|
| 総菜・弁当の持ち帰り | 8% |
| 出前・宅配ピザ・デリバリー | 8% |
| 学校給食・病院の入院時の食事 | 8% |
| 有料老人ホームでの食事の提供 | 8% |
| 飲食店での店内飲食 | 10% |
| フードコートでの飲食 | 10% |
| ケータリング・出張料理 | 10% |
持ち帰りと宅配が対象に含まれる点は、平日の食卓に総菜や弁当を取り入れている家庭にとって意味のある部分です。自炊だけが対象という制度ではありません。
おまけ付き商品という別枠
菓子におもちゃが付いた商品のように、食品と食品以外が一体になって売られているものは「一体資産」と呼ばれ、別の基準で判定されます。
一体資産が対象となる条件(両方を満たすこと)
- 税抜の販売価格が1万円以下
- 食品の部分が価格の3分の2以上
上記条件を満たせば、おもちゃを含めた商品全体が対象になります。満たさなければ全体が対象外です。同じ棚の似た商品どうしで税率が分かれる場合があり、外見からの判別は困難といえます。
判定は購入した時点で決まる
コンビニエンスストアやスーパーマーケットの飲食スペースをめぐる扱いは、購入時の意思表示で決まります。店内で食べる旨を伝えた場合は対象外、持ち帰る場合は対象です。
購入後に気が変わった場合の差額は、原則として精算されません。持ち帰るつもりで購入した品を店内で食べたとしても、追加の支払いを求められることは通常ありません。
買い物の際に税率を確かめる方法として、レシートの税率区分の表示があります。軽減税率の対象品には「※」などの記号が付されており、家計簿を付ける方にとっては手がかりになります。
迷ったときの確かめ方
- 個別の品目:国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」に120件超の事例が掲載されている
- 制度の全体像:国税庁の軽減税率制度のページ
- 店頭での確認:レシートの税率区分の表示
本記事で示した区分は、2026年7月31日時点で運用されている軽減税率制度の内容です。2027年4月からの1%案は法改正の手続きが済んでおらず、対象範囲が確定するのは法案と政令の成立後となります。
参考にした情報
国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編・個別事例編)」/各種報道(2026年7月30日時点)

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