【前編】食料品の減税、消費者のわたし達が今、どのように考えるか

この記事の要点

  • 2027年4月から2年間、食料品の消費税率を1%とする方針が表明された段階
  • 法改正は未了。確定した制度ではない
  • 税込価格ベースでの下落率は6.48%
  • 二人以上の世帯の平均で、月およそ4,800円、年およそ5万8,000円
  • 直近1年間の食料の値上がり分とほぼ同じ規模
  • 2年後には元の税率に戻る前提

現在わかっていること

2026年7月30日、食料品の消費税率を2027年4月から2年間1%に引き下げる方針が表明されました。現在の軽減税率8%からの引き下げにあたります。

ただし、法改正の手続きはこれからです。与党内にも慎重な意見があり、開始時期や対象範囲が今後変わる可能性は残ります。本記事は2026年7月31日時点で確認できる内容にもとづいています。

補足 ゼロ税率ではなく1%とされた理由として、レジのシステム改修に要する期間の差が挙げられています。

8%から1%で、価格は何%下がるか

税率の下げ幅は7ポイントです。ただし、実際に支払う金額の減り方は7%ではありません。税抜100円の食品で確かめます。

時期税抜消費税支払額
現在(8%)100円8円108円
引き下げ後(1%)100円1円101円

108円で買っていたものが101円になります。下落率は7円÷108円で6.48%です。家計簿に記録される金額は税込のため、6.48%が実感に近い数字となります。

公的統計で見た規模

総務省「家計調査」2025年(令和7年)平均、二人以上の世帯(平均世帯人員2.87人)の1か月あたりの食費です。酒類と外食は引き下げの対象に含まれない見込みのため、分けて示します。

項目月平均額扱い
食料 合計94,895円
うち 酒類3,784円対象外
うち 外食16,563円対象外
引き下げの対象74,548円8%→1%

効果が見込める額(二人以上の世帯の平均)

月 約4,800円 / 年 約58,000円

2年間の合計はおよそ11万6,000円

自分の家庭にあてはめる方法

平均値は世帯人員や食習慣によって大きく変わります。手元の家計簿から、酒類と店内飲食を除いた1か月の食費を取り出し、次の式にあてはめると自分の家庭の規模がわかります。

対象となる食費(税込)× 0.065 ≒ 1か月の効果額

対象食費(月)月の効果額年の効果額
50,000円約3,240円約38,900円
60,000円約3,890円約46,700円
70,000円約4,540円約54,400円
80,000円約5,190円約62,200円
90,000円約5,830円約70,000円

規模をどう受け止めるか

金額の大きさは、比較する対象によって印象が変わります。ひとつの目安として、直近の食料の値上がり幅と並べてみます。

家計調査によると、2025年の二人以上の世帯の食料への支出は、前年に比べ名目で5.5%の増加、物価変動を除いた実質では1.2%の減少でした。買う量は減ったにもかかわらず支出は増えており、食料の物価はおよそ6.8%上昇した計算になります。

減税による下落幅6.48%は、2025年の1年間に起きた食料の値上がり分とほぼ同じ規模にあたります。負担が新たに軽くなるというより、直近の上昇分が一時的に打ち消される、という捉え方が実感に近くなります。

また、期間終了後は101円が108円に戻ります。同じ7円の変化でも、戻るときの上昇率は6.93%となり、下がるときより幅が大きくなります。2年間限定であることは、あらかじめ織り込んでおきたい点です。

情報の確かめ方

制度の話題は報道の量が多く、確定した内容と検討段階の内容が混ざりやすくなります。判断の材料として、次の3点を手元に置いておくと迷いにくくなります。

  • 一次情報の所在が分かれる 税率や対象品目は国税庁、家計の統計は総務省統計局
  • 報道の言葉には段階がある 「方針を固めた」「表明した」「閣議決定した」「成立した」は別の段階。確定を意味するのは最後のみ
  • 詳細は成立後に反映される 対象品目の細かな判断は、法案と政令の確定後に国税庁の資料へ反映される

制度が動く場面では、金額の大小より、いつ何が決まったかを追えることのほうが役に立ちます。

参考にした情報

総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」/各種報道(2026年7月30日時点)

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