「きれいになりたい」と栄養との付き合い方の再考

土台に厚みを持たせるという選択

ここまで2回にわたり、外側からのケア(化粧品)と内側からのケア(食事・インナービューティ)について、市場規模と個人の支出データの両面から見てきました。最後に、この2つがそもそもどう役割分担しているのかを整理して締めくくります。

肌は表皮の基底層で作られた細胞が、角化しながら約4週間かけて表面へ押し上げられ、最後は垢として剥がれ落ちる新陳代謝を繰り返しています。この材料は血流を介して全身から届けられるため、タンパク質や必須脂肪酸、ビタミンA・C、亜鉛といった栄養素の状態がそのまま土台の質に関わってきます。

一方でスキンケアは、すでに死んだ細胞の層である角質層に直接働きかけ、水分の蒸散を防いだり、紫外線などの外的刺激から守ったりする、いわば外壁の補修とコーティングの役割です。血流を介さず直接作用するぶん、即効性と局所性があります。

①でお伝えした通り、化粧品市場(2兆6,500億円)とインナービューティ市場(2,000億円超)には10倍以上の開きがありました。②で見た個人の支出データでも、理美容用品の支出割合(5.4〜9.2%)は年代によって変動する一方、これが多いか少ないかを判断できる明確な基準は、今回の調査の範囲では見つかりませんでした。

「ちょうどいい配分」を示す確立された指標は、少なくとも今回調べた範囲では存在しません。ただ、食事は表皮そのものを作り替える材料であり、化粧品は角質層という外壁にしか作用できないという役割の違いを踏まえると、優先順位としては食事が土台、化粧品が補完という順序に立つのではないでしょうか?もし今、化粧品や美容液への支出が習慣として固定化している一方で、食事の内容を見直したことがしばらくないという方がいれば、一度その配分を見直してみることも一つの選択だと思います。

市場の規模が大きいことは、効果の大きさを意味しません。答えを一つに決めつけず、自分の内側と外側、両方に目を向けるきっかけになれば嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました