お菓子やお酒などの嗜好品は、家計の見直しでは真っ先に削減の対象になりがちな費目です。一方で、国の統計を見ると、年間収入が高い世帯ほど嗜好品への支出が多いという傾向が確認できます。前編では、総務省「家計調査」(2024年)のデータをもとに、収入と嗜好品支出の関係を整理します。
「年間収入五分位階級」とは
家計調査では、二人以上の世帯を年間収入の低い順に並べ、世帯数が等しくなるように5つのグループに分けた「年間収入五分位階級」という区分が公表されています。最上位のグループ(第V階級)は年間収入885万円以上の世帯です。本記事では、最上位のグループを「高年収世帯」と呼び、全世帯の平均と比較します。
高年収世帯の嗜好品支出は平均の約1.2倍
■ 嗜好品の年間購入額(二人以上の世帯・2024年)
| 高年収世帯※ | 全世帯平均 | |
|---|---|---|
| お菓子 | 約13.6万円 | 約10.4万円 |
| 飲み物(お茶・コーヒー等) | 約8.2万円 | 約6.7万円 |
| お酒 | 約5.1万円 | 約4.5万円 |
| 合計 | 約28.5万円 | 約23.0万円 |
※年間収入885万円以上(年間収入五分位階級の最上位グループ)を指します。
お菓子・飲み物・お酒を合計すると、高年収世帯の年間支出は約28.5万円で、全世帯平均の約1.2倍にあたります。月あたりに換算するとおよそ2.4万円であり、決して小さくない金額を嗜好品に配分していることがわかります。
品目別に見ると「楽しみ方」の輪郭が見えてくる
内訳をさらに細かく見ると、高年収世帯で特に支出が多い品目として、ワインやケーキが挙げられます。両品目とも全世帯平均の1.5〜1.8倍の水準です。日常の飲食に加えて、記念日や週末の楽しみといった「特別な消費」にも積極的にお金を使っている様子がうかがえます。
収入に余裕がある分だけ楽しみに配分できる、という見方は自然です。一方で、注目したいのは金額の大小そのものではなく、嗜好品を「削るべきもの」ではなく「楽しむもの」として家計に組み込んでいる姿勢です。
健康面はどうなのか?
お菓子・飲み物・お酒への支出が多いと聞くと、健康面にはどのように影響しているのか気になるところです。実際のところ、高年収世帯の健康状態や生活習慣はどのようになっているのでしょうか。
後編では、厚生労働省「国民健康・栄養調査」のデータをもとに、所得と健康習慣の関係を確認します。嗜好品を楽しみながら健康を保つ「ほどほど」のヒントを探ります。
出典:総務省「家計調査」(2024年・二人以上の世帯・年間収入五分位階級別)

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