「お菓子はやめたくない」を出発点にした、おやつの選び方

甘いものを完全にやめるのは、なかなか続きません。やめることを目標にすると、我慢が切れた反動で前より食べてしまう、ということも起こりがちです。

ここで考えたいのは、「やめる」でも「健康食に置き換える」でもない、もう一つの選択肢です。ふだんどおりおやつを食べる。そのうえで、数ある甘いものの中から「少しだけ素直なもの」を選べていたら、それで十分ではないか、という見方です。健康づくりは、特別なこととして生活の外に置くより、いつもの生活の動線の上に自然に乗っているほうが続きます

同じ「甘いもの」でも、中身は違う

洋菓子と和菓子の一番の違いは、脂質の量です。脂質は1gで約9kcal、糖質やたんぱく質は1gで約4kcal。つまり脂質が多い食べ物ほど、同じ重さでもカロリーが高くなります

バターや生クリームをたっぷり使う洋菓子は、ここで脂質が一気に乗ります。一方、あん・もち・寒天・卵が主役の和菓子や、いも類は、脂質がとても低いまま甘さを出せます。「甘いから同じ」ではなく、構成が違う、ということです。

下の表で見比べてみてください。

品目目安量エネルギーたんぱく質脂質
練りようかん1切れ・約50g約145kcal約1.8g約0.1g
焼き芋約100g(中1/2本)約163kcal約1.4g約0.2g
干し芋約50g(2〜3枚)約139kcal約1.6g約0.3g
大福もち(こしあん)1個・約80g約178kcal約3.7g約0.4g
今川焼き(大判焼き・たい焼を含む)1個・約90g約199kcal約4.1g約0.9g
カステラ1切れ・約50g約157kcal約3.6g約2.5g
シュークリーム1個・約80g約148kcal約3.8g約7.1g
クッキー3枚・約30g約154kcal約1.7g約8.3g
ショートケーキ1切れ・約100g約314kcal約6.9g約15.2g
ベイクドチーズケーキ1切れ・約100g約299kcal約8.5g約21.2g

数字を並べると、脂質の”桁“が違うことが見えてきます。和菓子といも類は脂質が0〜数g台にとどまるのに対し、洋菓子は10g、20gと一段上がります。たとえばエネルギーが近い今川焼き(約199kcal)とシュークリーム(約148kcal)でも、脂質は今川焼き約0.9gに対しシュークリーム約7g。脂質という一点では、はっきり差がつきます。

ただし「低脂質=安心」ではない

気をつけたいのは、和菓子やいもは脂質が低くても、糖質はしっかり含むことです。血糖の上がりやすさが気になる方にとっては、低脂質であること自体が安心材料にはなりません。その場合は品目選びより、量と頻度のほうが効いてきます。一方で、体重やカロリー、脂質が気になる方にとっては、和菓子・いもは選びやすい候補になります。

「これを食べましょう」ではなく

ここに挙げたものは、正解として並べたわけではありません。甘いものを食べること自体を否定せず、「食べるなら、こういう見方もできる」という材料として置いています。

干し芋や焼き芋のように、人によって”おやつとしての嬉しさ”が分かれるものもあります。ピンとこなければ飛ばして構いませんし、表にない和菓子でも考え方は同じです。大事なのは、誰かに決めてもらうことではなく、自分の好みとそのときの体調に合わせて、自分で選べることだと思います。


※数値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の可食部100g当たりの値をもとに、目安量に換算したものです。今川焼きは「こしあん入り」の収載値で、同表の備考に大判焼き・回転焼き・たい焼きを含むと記載があります。市販品は配合やサイズによって変わります。

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