「1日7g」は自分に合っている?
塩分の基準値を正しく読み解く
健康診断のたびに気になる「減塩」の文字。でも、その数字の意味を理解している方は意外と少ないかもしれません。基準値の背景と、自分の体で確認する方法をお伝えします。
01 — 基準値の正体
その数字は「理想」ではなく「現実的な妥協点」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食塩摂取量の1日あたり目標量を成人男性7.5g未満、女性6.5g未満と定めています。しかしこの数字、実はWHOが推奨する5g未満を目標にしたかったものの、日本人の実際の摂取量(平均9.8g)との乖離が大きすぎるため、「実現可能性」を考慮して設定された値です。
| 機関・基準 | 目標量 |
|---|---|
| WHO推奨 | 5g未満/日 |
| 日本高血圧学会(患者向け) | 6g未満/日 |
| 厚労省目標(成人男性) | 7.5g未満/日 |
| 厚労省目標(成人女性) | 6.5g未満/日 |
| 日本人の平均摂取量 | 9.8g/日 |
出典:日本人の食事摂取基準(2025年版)厚生労働省 / 令和5年国民健康・栄養調査
02 — 数値の限界
体格が違えば、「同じ7g」の意味も変わる
タンパク質など多くの栄養素は体重あたりで必要量が示されますが、食塩の目標値は体格を問わず一律です。つまり、体格の大きな方には相対的に厳しい制限になる一方、小柄な方は同じ量を「達成」しても体重あたりでは多くなる場合があります。集団全体のリスク低減を目的とした数字であるため、個人差は考慮されていません。
逆もまた然り小柄な方が目標値内に収まっていても、体重あたりで見ると相対的に多く摂取している場合があります。「達成しているから安心」とも「超えているから危険」とも言い切れないのが、一律基準の限界です。
03 — 自分の体で確かめる
数字に振り回されず、体のサインを読む
数値目標を意識しすぎるより、自分の体の状態を継続的に観察する習慣が有効です。
- 家庭血圧を週1回以上測定し、135/85mmHg(家庭血圧の基準)を継続的に上回るようであれば食生活を振り返るサインに
- 尿の色が濃い黄色が続く場合は水分不足のサイン。塩分と水分のバランスを意識する
- むくみが気になる朝が続くときは、前日の食事の塩分量を振り返る機会に
注意点:塩分と血圧の関係には個人差があります。食塩感受性は遺伝的素因や年齢によっても異なるため、血圧が正常でも塩分過剰が問題ないとは言い切れません。あくまで傾向をつかむためのモニタリングとして活用を。
まとめ
「7g」を守ることより、自分の適量を知ること
基準値はあくまで集団を対象とした目安です。大切なのは数字に縛られることではなく、自分の食習慣と体の変化を照らし合わせる習慣を持つことです。気になる症状や数値の変化が続く場合は、医療機関の受診や専門家へのご相談をお勧めします。


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