コンビニやスーパーで「管理栄養士監修」と書かれた商品を見かける機会が増えました。皆さんはこの言葉が何を意味しているのか、立ち止まって考えたことはありますか?監修という言葉の意味を知っておくことで、自分に合った商品を選ぶ力が身につきます。
「監修」は品質保証ではなく、目的の保証
まず大前提として、「管理栄養士監修」という表示は、その商品が栄養学的に優れていることを広く保証するものではありません。
監修とは、ある目的のために専門家が内容を確認・助言することです。つまり、商品ごとに「何のために監修されたのか」があります。その目的と、あなたが商品を選ぶ目的が一致しているかどうかが、実は大切なポイントです。
監修の目的と、自分が求めていることが合っているかを確認しましょう。
野菜ジュースで考えてみる
わかりやすい例として、野菜ジュースを取り上げてみます。
野菜ジュースに「管理栄養士監修」とある場合、その監修目的はおもにビタミン・ミネラルの補給であることが多いです。野菜から抽出・加工されたジュースは、ビタミンCやβ-カロテンなどの栄養素を手軽に摂るという点で合理的な設計になっています。
一方で、野菜ジュースには加工の過程で失われやすい栄養素があります。それが食物繊維です。生野菜に含まれる食物繊維の多くは、ジュースにする段階で取り除かれ、大幅に減少します。また、飲みやすくするために糖類が加えられている商品も少なくありません。
つまり、「野菜不足を補いたい」という目的でも、何を補いたいのかによって、野菜ジュースが合う方と合わない方がいるのです。
こんな方は特に飲み方に注意を
食物繊維の少なさや糖質の多さという特性から、野菜ジュースとの相性を慎重に考えたほうがよい場合があります。
- 血糖値が気になる方:食物繊維が少ないと血糖値が上がりやすくなります。また糖類が加わっているジュースでは、食後血糖値への影響がより大きくなります。
- 中性脂肪が高い方:果糖や糖類の摂りすぎは中性脂肪を上げる要因になります。野菜ジュースに果物が混ざっている商品は特に注意が必要です。
- 便秘が気になる方:食物繊維の補給を期待して飲む場合、ジュースだけでは不十分なことが多いです。
- 腎機能が低下している方:野菜にはカリウムが含まれており、腎臓の機能が落ちている場合、カリウムが体内に蓄積しやすくなります。高カリウム血症は心臓に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。
商品を選ぶときのチェックポイント
「管理栄養士監修」の商品を選ぶときに、少し立ち止まって確認してほしいことがあります。
- その商品は何のために設計されているか:パッケージの説明文やコンセプトを読むと、監修の目的が見えてきます。
- 栄養成分表示を見る:糖質・食物繊維・カリウムなど、自分の体の状態と照らし合わせたい栄養素を確認しましょう。
- 「補う目的」と「自分の状態」を合わせて考える:ビタミンを補いたいのか、食物繊維を補いたいのか、まず自分が何を求めているかを明確にしておくと選びやすくなります。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、生活習慣病のリスク因子を持っていても、おおむね自立した日常生活を営んでいる方は、一般的な食事の基準を参考にできるとされています。だからこそ、自分の状態を把握しながら食品を選ぶことが、日々の健康づくりにつながります。
「監修」を上手に使うために
「管理栄養士監修」という表示は、専門的な視点が商品づくりに関わっているというひとつのサインです。それ自体は意味のあることです。
ただ、大切なのはその先です。監修の目的と自分の目的をすり合わせること。栄養成分表示を見ること。そして、自分の体の状態を知っておくこと。この三つがそろって初めて、監修という言葉が自分にとって意味を持ちます。
「専門家が関わっているから大丈夫」という安心感を一度横に置いて、商品と自分の状態を照らし合わせてみてください。それが、食の選択肢を広げる第一歩になります。
この記事のまとめ
「管理栄養士監修」は品質の広い保証ではなく、特定の目的に対する専門的な関与を示すもの。野菜ジュースを例にすると、ビタミン・ミネラルの補給を目的とした設計であることが多く、食物繊維の補給や血糖・脂質管理が必要な方には必ずしも適していない場合があります。商品を選ぶときは、監修の目的と自分の健康状態・目的を照らし合わせることが大切です。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書


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