疲れを栄養から見てみよう

「朝起きても疲れが取れない」「最近なんとなくだるい」…そんな不調を感じていませんか?

実は今、日本人の約7,162万人が「疲れている」というデータがあります。特に季節の変わり目は、自律神経の乱れとエネルギー消費の増加で、いつもより疲労を感じやすい時期です。この記事では、衝撃の数字データとともに、栄養の視点から「疲労回復の栄養戦略」をお伝えします。

知っていますか?日本人の「疲労」のリアルな数字

まずは、あなたの「疲れている」という感覚が決して特別ではないことを、客観的なデータで確認してみましょう。

疲れている人の数
7,162万人
日本リカバリー協会
「ココロの体力測定2024」(10万人調査)
慢性疲労を自覚する人の割合
約4
厚生労働省研究班
(半年以上続く疲労を自覚)
睡眠で休養が
とれていない人
4人に1人
令和5年
国民健康・栄養調査
40〜60代女性の
睡眠6時間未満率
43.6%
令和5年
国民健康・栄養調査

「疲れているのは自分だけじゃない」と少し安心した方もいるかもしれません。しかし、慢性的な疲労は放置すると免疫力の低下や生活習慣病のリスクにもつながります。特に季節の変わり目は要注意です。

なぜ季節の変わり目に疲れやすくなるのか

季節の変わり目に疲労を感じやすい原因は、大きく2つあります。

① 自律神経がフル稼働している

寒暖差・気圧の変動・日照時間の変化に対応するため、自律神経は体温や血圧を調整し続けています。この「見えない労働」が続くと、交感神経が過剰に働き、体内のエネルギー消費量が普段より増加します。

② エネルギー代謝の需要が増えている

気温変化に応じて体温を調節するだけでも、体はエネルギーを消費します。つまり季節の変わり目は、「同じ生活をしていても疲れやすい」期間なのです。この時期に栄養が不足していると、疲労感はさらに加速します。

📉 疲労が生まれるメカニズム

寒暖差・気圧変動
自律神経フル稼働
エネルギー消費増加
栄養素の枯渇
疲労感・不調

あなたの疲労、食事が原因かも?

以下の項目、いくつ当てはまりますか?3つ以上当てはまる方は、食事からの栄養補給が不足している可能性があります。

  • 朝食を抜く、または菓子パンやおにぎりだけで済ませる日が多い
  • 白米・パン・麺類など糖質中心の食事が多い
  • 野菜・果物を1日に両手いっぱい分食べていない
  • お酒を週4日以上飲む
  • コーヒーを1日3杯以上飲む
  • 肉・魚・卵・大豆製品を毎食摂れていない
  • 甘いお菓子や清涼飲料水をよく摂る

見逃せないデータ:ビタミンB群が全年代で不足

疲労回復に欠かせない栄養素の代表格がビタミンB群です。糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える「代謝の潤滑油」の役割を担っています。

ところが、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の結果を見ると、驚くべき事実が浮かび上がります。

📊 ビタミンB1・B2・B6は、すべての年代で推奨量を満たしていない

つまり、日本人の多くは「疲れやすい食生活」を送っている可能性があるということです。

ビタミンB群が不足すると、食べたものをエネルギーに変換する効率が落ちます。その結果、「ちゃんと食べているのに疲れが取れない」という状態に陥りやすくなります。

コーヒーやお酒を飲む方は特に注意

カフェインやアルコールの代謝には、ビタミンB群(特にB1・B6・パントテン酸)が大量に消費されます。毎日コーヒーを数杯飲む方、晩酌が習慣の方は、意識的にビタミンB群を補う必要があります。

また、水溶性ビタミンであるB群は体内に貯蔵できないため、毎日コツコツ摂取することが大切です。

疲労回復に効く「6つの栄養素」と食べ方

季節の変わり目の疲労を乗り切るために、特に意識したい栄養素をまとめました。

栄養素 働き 豊富な食品
ビタミンB1 糖質をエネルギーに変換。不足すると集中力低下・だるさ 豚ヒレ肉、玄米、大豆、うなぎ
ビタミンB2 脂質代謝、粘膜の健康維持 レバー、卵、納豆、さば
ビタミンB6 たんぱく質代謝、セロトニン合成で気分安定 かつお、まぐろ、鶏胸肉、バナナ
酸素運搬。不足は貧血と疲労感の大きな原因 赤身肉、レバー、あさり、小松菜
マグネシウム エネルギー産生、神経伝達、自律神経の安定 アーモンド、豆類、わかめ、ほうれん草
ビタミンC 抗酸化、ストレス対応、副腎機能サポート パプリカ、ブロッコリー、キウイ、柑橘類

注目の「イミダペプチド」

近年、疲労研究の分野で注目されているのがイミダペプチドという成分です。強力な抗酸化作用を持ち、疲労の原因とされる細胞の酸化ストレスを軽減する働きがあると報告されています。

🐓
鶏むね肉
1日100g目安
🐟
まぐろ
回遊魚に豊富
🐟
かつお
B6も豊富

実践!疲れに負けない食べ方のコツ

① 朝食にたんぱく質を必ず入れる

朝のたんぱく質はセロトニン(幸せホルモン)の材料になります。セロトニンは自律神経のバランスを整え、夜にはメラトニン(睡眠ホルモン)へ変換されます。朝の卵1個、納豆1パック、ヨーグルト1カップ…どれかひとつでも習慣にしてみてください。

② 「豚肉 + にんにく・ねぎ」で疲労回復の王道コンビ

豚肉に豊富なビタミンB1は、にんにくやねぎに含まれるアリシンと結合することで吸収率・持続性がアップします。豚の生姜焼きや、豚肉とにら炒めは理にかなった組み合わせです。

③ 汁物でミネラルを丸ごと摂る

マグネシウムやビタミンB群は水に溶けやすい性質があります。味噌汁やスープにして汁ごと飲むことで、栄養を余すことなく摂取できます。わかめと豆腐の味噌汁は、マグネシウム・たんぱく質・イソフラボンが一度に摂れる優秀メニューです。

④ 間食は「ナッツ + 果物」

お菓子を食べると一時的に血糖値が急上昇し、その後急降下してかえって疲労感が増します。アーモンドやくるみ(マグネシウム・ビタミンE)と、キウイやみかん(ビタミンC)の組み合わせがおすすめです。

栄養の面からみたアドバイス

疲労は「休めばとれる一時的なもの」と「栄養不足から来る慢性的なもの」があります。季節の変わり目の疲れは、そのどちらもが重なりやすい時期です。

特に意識してほしいのは、疲労を感じてから対処するのではなく、普段から「疲れにくい体」を食事で作っておくこと。ビタミンB群・鉄・マグネシウムといった栄養素は、体内に大量に貯蔵できないため、毎日の食事でコツコツ補うしかありません。

もし「しっかり食事に気をつけているのに疲れが取れない」という場合は、貧血・甲状腺機能低下症・睡眠時無呼吸症候群など、医学的な原因が隠れている可能性もあります。2週間以上疲労感が続く場合は、医療機関への相談も検討してください。

📝 この記事のまとめ

  • 日本人の約7,162万人が「疲れている」と感じ、約4割が慢性疲労を自覚
  • 季節の変わり目は自律神経のフル稼働でエネルギー消費が増加
  • ビタミンB1・B2・B6は全年代で推奨量を満たしていない(国民健康・栄養調査)
  • 疲労回復の鍵はビタミンB群・鉄・マグネシウム・ビタミンC・イミダペプチド
  • 豚肉 + にんにく」「朝のたんぱく質」「汁物で丸ごと」が実践のコツ
  • コーヒー・お酒を多く摂る方はビタミンB群が消耗しやすいので要注意

参考資料
・厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・厚生労働省「令和5年労働安全衛生調査(実態調査)」
・一般社団法人日本リカバリー協会「ココロの体力測定2024」
・厚生労働省研究班「疲労の実態調査と健康づくりのための疲労回復に関する研究」

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